ソニック・ザ・ヘッジホッグとサリー姫 in: ロイヤルランブル:スマックダウン
ソニック・ザ・ヘッジホッグとサリー姫 in: ロイヤルランブル:スマックダウン
著:ユー・メイ
[Sonic and Sally: Royal Rumble Smackdown Translated]
「でも、チャールズ、もし彼を傷つけたらどうしよう?」
「ただのお尻たたきだよ、バーニー。傷つけることなんてない…少なくとも、永久にってわけじゃないよ。」
「心配しないで、ママ! 僕、平気だから!」
バーナデット・ヘッジホッグは、8歳の息子ソニックが彼女の膝の上に横たわっているのを見て、緊張で口を覆った。「こんなことに同意したなんて信じられない! お尻たたきなんて大嫌いなのに! もし彼の心に傷を残したら? もし僕を嫌いになったら? もし…何か変なコンプレックスができちゃったら?」
ソニックはバーナデットの膝から少し体を起こし、叔父に尋ねた。「チャック叔父さん、コンプレックスって何?」
チャールズ・ヘッジホッグ卿は賢者然として背もたれに寄りかかった。「それはね、ソニー、お母さんがお尻たたきで君の頭がぐちゃぐちゃになるんじゃないかって心配してるってことさ。」
「そんなのナンセンスだよ! ママ、頭をたたくわけじゃないでしょ! ねえ、ママ、早く始められない? 僕、待ってるよ!」
「まさにその通り、ソニー! ほら、バーニー? このアイデアは彼が自分で言い出したんだ! 引き延ばしてても彼のためにならないよ!」
ソニックが再びバーナデットの膝に落ち着き、待ちきれずに足をバタバタさせると、バーナデットは左手で彼の背中を押さえ、右手が震えた。「でも…チャールズ、どうやってやるの?」
「そうだな、まずは彼がなぜお尻たたきされるのか、思い出させてみるのはどうだい?」
ソニックはチャック叔父さんに不思議そうな目を向けた。「でも、叔父さん、僕もう知ってるよ。自分で頼んだんだから!」
「それはちょっと違う話だよ、ソニー。さあ、バーニー、彼に話してごらん。」
バーナデットは震えながらうなずいた。「ねえ、ソニック、君が何を間違えたか分かってる?」
「うん! それ簡単。レスリング中にサリー姫の三つ編みを強く引っ張っちゃった。それって違反だよね、チャック?」
「厳密には反逆罪になるかもしれないけど、アコーン王ならきっと大目に見てくれるよ。あの姫がどれだけ手強いか、知ってるからね。」
ソニックは激しくうなずいた。「そうそう! それに、そもそもサリーが始めたんだ! 僕、彼女がギブアップするように三つ編みを引っ張っただけだよ!」
チャールズ卿の耳がピクッと動いた。「ほお、彼女が始めたのか? それは正当防衛みたいに聞こえるな、バーニー。やっぱりお尻たたきしなくてもいいんじゃないか?」
バーナデットはフンと鼻を鳴らし、目を丸くした。彼女はチャールズを名誉上の兄貴分と考えていて、夫ジュールズの兄である彼とは長い付き合いだった。でも、チャールズの「助け」はいつも彼女をイライラさせるものだった。チャールズにムッとした彼女は、問題の息子に注意を向けた。「そもそも、ソニック、女の子とレスリングなんてしてほしくないの!」
「でも、ママ! サリー姫、レスリング大好きなんだよ! 今回、ちょっと…盛り上がりすぎちゃっただけ。」
チャールズ卿はくすくす笑いをくしゃみで隠し、口ひげが笑みを隠してくれて助かったと思った。確かに、子供たちのせいじゃない。あの宮殿に並んでいた空の鎧がドミノみたいに倒れたのだって!
バーナデットはこめかみを揉み、子供への体罰にずっと反対してきた自分を突然見直したくなり、被告を尋問した。「ちょっと待って、サリーから聞いた話と違うわよ! 彼女、君が三つ編みを引っ張った後に彼女が君にタックルしたって言ってた!」
「うん、そうそう! 最初に僕が三つ編みを引っ張ったけど、そんなに強くじゃなかったよ。それで彼女が僕にタックルしてきて、レスリングになって、そしたらまた三つ編みを引っ張ったんだ、ほら、彼女が降参するようにって。それで…全部倒れちゃった。」
チャールズ卿は背もたれに寄りかかり、弟のジュールズがここにいてこの光景を楽しめたらと思った。「おやおや、正当防衛の主張としては弱いな。むしろ互いにやり合ったって感じだな。公共の秩序を乱した罪か?」
バーナデットは鼻を鳴らし、チャールズに「黙ってて」とばかりに偽りの怒りの目を向けた。彼女はチャック叔父さんが上手く自分をその気にさせたことをよく分かっていて、内心感謝していた。「いったい何が君をそうさせたの、ソニック? 三つ編みを引っ張るなんて!」
「えっと…だって、いつもサリーの三つ編みを引っ張ると、彼女、めっちゃ可愛い、ふりだけの怒った顔で僕を見て、なんか面白いこと言うんだよ。『私は呼び鈴じゃないわ、ヘッジホッグさん!』とか。でも、今回、彼女、ふりじゃなくて本当に怒ってた。分かんないよ! 彼女、めっちゃ変だよ!」
バーナデットの頬が真っ赤になった。この子供たちのメロドラマ、いつから気づかず進行してたの? 「ソニック! 女の子がどれだけ可愛いとか、ふりで怒ってると思っても、サリー姫の三つ編みは君のものじゃないんだから、引っ張っちゃダメ! もう二度と、レスリング中でもそうじゃなくても、彼女の三つ編みを引っ張ったら…お尻たたきして…お仕置きで外出禁止にするわ!」
ようやくソニックは本気で怖がったようだった。「外出禁止? やだ! それだけは勘弁! ねえ、チャック! ママに謝るって言ってよ!」
チャックは顎に手を当て、思案するふりをした。「本気で後悔してるように聞こえるな、バーニー。今回はお尻たたきだけで許してやったらどうだい? 慈悲で正義を和らげるってやつさ!」
バーナデットは負けたと悟った。子供のしつけとしてお尻たたきに反対することは、彼女の誇りだった。だって、ソニックにはタイムアウトが驚くほど効果的だったから!(もしかしたら効果的すぎたかも!)
ここ数年、彼女とチャールズ卿の体罰の是非についての議論は、純粋に理論的なものだと思っていた。
でも、タイムアウトの時間を数分から数時間に延ばさないと効果がなくなってきた。1日まるまる外出禁止にしたあの時、彼女はまだ罪悪感を感じていた。
しつけ役になるたび、チャールズの古い主張が彼女を悩ませた。ソニックのエネルギーなら、数時間、場合によっては数日の退屈を強いることが、1、2分の体罰よりどうして優しいと言えるの?
半分だけ納得して、バーナデットはチャールズの理論を試すのが賢いと思った。ソニックに選ばせよう。罰として1週間外出禁止か、それとも…お尻たたきか?
彼女が子供だったら、絶対に外出禁止を選んでいた。だから、ソニックに提案した時、チャールズをからかう気満々だった。
なのに、ソニックは即座に、嬉々としてお尻たたきを選んだ。まるで現実そのものが彼女の理論を笑ってるみたいだった!
ソニックを膝に固定し、バーナデットは試しにお尻を軽く叩いて、母がどうやっていたかを思い出そうとした。「よし、ソニック。今回は外出禁止なしで許してあげる。でも、お尻たたきが終わったら、すぐにサリー姫に謝りに行くのよ。準備はいい?」
ソニックはサムズアップ。「準備万端、いつでもOK!」
バーナデットはため息をつき、チャック叔父さんに無言の怒りの視線を向け、「ほら見たことか!」と言わないでと挑戦した。
チャック叔父さんは賢く、礼儀正しく沈黙を守った。
バーナデットは目を閉じ、ソニックのお尻に中途半端な一撃を加えた。柔らかい「パチン」という音。愛する息子が泣き叫ぶのを覚悟したが、聞こえたのは沈黙だけ。
ソニックは首を振って肩越しに振り返った。「え、ママ、それじゃダメだよ! サリーに僕らが弱虫だと思われたくないよね?」
バーナデットは耳が熱くなるのを感じた。自分、何もできないの? 「チャールズ、どのくらい強く叩くの? あざを作りたくないの!」
ソニックは肩をすくめた。「どうやって分かるの? 僕のお尻、元々青いよ!」
チャック叔父さんは手を上げ、正しい動きを見せた。「水泳だと思ってみな、バーニー。腕を水の中で動かして…ストローク! なんで『パドル(漕ぐ)』って言うと思う?」
バーナデットは泳ぎが得意じゃなかったけど、これ以上恥ずかしくて議論できず、ともかくやってみる決意をした。
手を上げ、オリンピックのプールを思い浮かべながら、彼女はさらに自分にイライラした。ソニックの水泳レッスンを手配するのをいつも忘れてる! でも、それはまた別の日に…
2回目の試みで、バーナデットはパドルを漕ぐ動きに集中した。衝撃がソニックのお尻に波のように広がった! ソニックが「うおっ」と叫ぶのを聞き、赤ちゃんを慰めたい母性本能と、少なくとも自分が完全な無能じゃないという安堵感が混ざった。
チャック叔父さんがうなずいた。「いいぞ、バーニー。その調子だ!」
バーナデットはうなずき、ゆっくりとソニック初のお尻たたきを進めた。叫び声や悲鳴が彼女の心を少しずつ傷つけたが、驚くことに、溜まっていたイライラが消えていくのを感じた。彼女はソニックに怒っていないと知っていた(チャールズが最初に警告したのは、怒りながら叩かないことだった。どうやって子供を叩くか、途方に暮れて彼に電話した時だ)。
でも、ソニック、チャールズ、そして特に自分自身へのイライラを全て手放した時、初めて自分がどれだけイライラしていたかに気づいた。
5回叩いたところで、彼女は罰を止め、息子に許したと言って終わらせたくてたまらなかった。困った時に頼る古い友人であり義兄に助けを求めた。「あの、チャールズ? これで十分だと思う?」
「ソニー、君はどう思う? どうだい、持ちこたえてるか?」
強がりたくて、ソニックは赤い靴をこすり合わせた。「…気持ちいいもんじゃないよ。でも、僕の歳の子供はだいたい10回は叩かれると思う!」
チャールズが励ますようにうなずくのを見て、バーナデットは覚悟を決めた。これは自分の仕事だと分かっていた。「それなら…ソニック・モーリス・ヘッジホッグ、10回さらに叩きます。合計15回。そして、サリー姫が君を弱虫って呼んだら、彼女にも同じようにしてあげる!」
ソニックは痛みをこらえながら笑った。「それで許してくれる?」
バーナデットの心が温かくなった。突然、「これは君を傷つけるより私を傷つける」という言葉を思い出した。子供の頃、受ける側だった時はその言葉が馬鹿げていると思った。だから、今、それが本当でも繰り返さなかった。代わりに、深呼吸し、ソニックの腰の固定を調整した。「もう許してるよ、ソニック。これは君がまた問題を起こさないための教訓なの! …愛してるよ、ソニック!」
ソニックは気軽にサムズアップで答えた。「僕も愛してるよ、ママ! …それに、これ効いてると思う! もう悪いことしたって思ってる!」
新たな決意で、バーナデットは最後の10回を叩いた。終わった時、ソニックは涙の縁にいたが、気丈に耐えた。1週間の外出禁止という拷問を免れた喜びで、文句や騒ぎはなかった。
満足したバーナデットとチャールズ卿は、ソニックを連れてアコーン王とサリー姫に会うため宮殿に向かった。子供たちが互いに謝罪するためだ。
王族に近づくと、バーナデットはサリー姫が父親に軽く促されてお尻から手を下ろすのを一瞬見た。あまりに素早く、ソニックは気づかなかったと確信した。だから、サリーが涙目と鼻をすすりながら隠そうとしているのに気づいても、深く追求しなかった。なぜか、バーナデットは体罰を育児の道具に加えた決断が正しかったと感じた。
サリー姫はソニックにタックルしたことを謝りながら、気品ある態度を保とうとしたが、「許してください!」と言う時、ついにすすり泣きが抑えきれず、ソニックを驚かせて抱きしめた。
サリーの背中を軽く叩き、ソニックは大人たちを見上げた。「ねえ、もうレスリングしちゃダメ? 遊びでも?」
バーナデットは固まった。ソニック、国王の前でそんなこと聞くなんて! 「ダメよ、ソニック! …でも、それはアコーン王次第かしら。」
アコーン家のナイジェル王は完璧な王の威厳で子供たちに語った。「サリー姫? その提案についてどう思う?」
サリーは涙をぬぐい、一瞬「我々」という王族の言葉を忘れた。「お願い、父上…ソニックとレスリングできなくなるなんて、お尻たたきよりひどいわ–」最後の言葉が口を滑った瞬間、姫は真っ赤になり、ソニックを見て、どれだけからかわれるか心配した。幸い、ソニックは気づかなかった…か、気づかないふりをした。
アコーン王はチャック叔父さんと視線を交わし、公式な口調の裏で笑いを隠した。「チャールズ卿、この重大な件について卿の助言を聞きたい。」
チャック叔父さんは儀礼的に頭を下げ、親友と内輪の冗談を共有する喜びを密かに感じた。「陛下、良き女王は自分と民を守る訓練を受けるべきかと! 彼らのレスリングは、友好的なフェンシングと変わらず、尊厳も重要性も劣りません!」
アコーン王はうなずいた。「よく言った! 宮殿内で二度と起こらなければ、我々は異議なしだ。しかし、ヘッジホッグ夫人、ソニックは君の息子だ。君の判断はどうだ?」
自分が国王に冗談に巻き込まれていると気づき、バーナデットは状況への恥ずかしさが全て消えた。ソニックとサリー姫の期待に満ちた顔を楽しみながら、最終判断を下した。
「いいでしょう! ソニック、サリー姫が許可すれば、レスリングしてもいいわ。でも、髪を引っ張ったり、フルネルソンは禁止!」
二人のやんちゃな子供たちの歓声を聞きながら、バーナデットは自分の全ての業績の中で、母親であることほど素晴らしいものはないと決めた。
完
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