第II章: 王座ゲーム(ビデオゲーム・オブ・スローンズ)

第II章:

王座ゲーム(ビデオゲーム・オブ・スローンズ)

王位の間にある大きな両開きの扉のすぐ外で、マリオは檻の中の虎のように行ったり来たりしていた。「トードスワースが評議会議長だろうが関係ない。あのボケたジジイどもがもしお前に手ぇ出そうとしたら、俺がそいつらに同じ目に遭わせてやる。どうだ、気に入るかよ!」

ピーチは姿勢と声を完璧に保とうとしていたが、顔はまだ真っ赤だった。トゥーデットの助けを借りて、急いでフォーマルなボールガウンに着替えたところだった。「マリオ、あれはただの冗談よ。本当に私に…えへん…お仕置きなんてしないわ。正当な理由もないのに」

「正当な理由だと? ふざけんな! あのジジイどもに、お前を叩く権利なんかない!」

「spank(お尻叩き)」という言葉が出た瞬間、ピーチは恥ずかしさで死ねるものなら死にたいと切実に思った。ピーチは震える息を吸った。「きっとそんなことにはならないわ。トードスワースは私の名付け親だし、彼は……」

ピーチは言葉を切った。一昨日、トードスワースにむちで叩かれた記憶が鮮明に蘇った。そう、父親から親代わりの懲罰権を正式に与えられているのはトードスワースだけだった。でも、もし長老評議会がそれを強要してきたら?

その時、両開きの扉が少し開き、緊張した様子のトードバートとトードィコが現れた。

トードバートの声が裏返った。「お入りください」

トードィコがゴクリと唾を飲み込んだ。「ピーチ姫…がんばって!」

ピーチは気持ちを落ち着かせ、堂々と広間に入った。そこは父親の玉座の間として馴染み深い光景だった。しかし父親はもう玉座に座っていなかった。王冠と王笏は円卓の上に置かれ、その円卓を囲むように五人の極めて高齢な長老たちが座っていた。

円卓には頭も末席もないが、トードスワースが中央に座り、評議会議長としての地位を示していた。マリオはすぐに、ピーチの元近衛隊長で今は引退した「元隊長」トードスターがトードスワースの左に、またそのさらに左にトードスキー教授が座っているのを認識した。しかしトードスワースの右に座る残り二人はマリオにとって見覚えが薄かった。マリオとルイージがきのこ王国の初代女王の王冠を探す旅に出発した際、二人が長々と演説していたようなぼんやりした記憶があった。

ピーチが円卓に近づくと、トードスワースが微笑んだ。「王太子ピーチ・トードストゥール! 私どもの…召喚に応じてくれてありがとう?」

トードスワースはそこで言葉を止め、マリオがピーチの横にずかずかと進んでくるのに気づいた。ピーチが背が高く、ドレスがふんわりと広がっているせいで、マリオが突然どこからともなく現れたような錯視が起きていた。

ピーチはマリオと目で合い、口だけで「マリオ」と呼んだが、評議会が見ているのに気づくと、姿勢を正し、黙った。

トードスキー教授が鼻を鳴らした。「マリオ? ほう、参加する気になったか。妙だな、正式な召喚状に騎士マリオの名はなかったはずだが」

マリオは目を細めた。「俺はピーチを助けに来た。必要ならな」

トードスキーが身を乗り出し、顎を拳にのせた。「だがこの評議会はお前を召喚していない」

「じゃあ、呼ばないとも言ってねえだろ」

一番太った長老が、極厚のメガネをかけて、むせそうになっていた。「おやおや! なんとも不規則ですな! これは投票にかけねば」

元近衛隊長トードスターがうめいた。「おお、ジョージ・ワシントード将軍の三角帽にかけて! 細かいこと全部投票かよ? もちろんマリオ卿はここにいる。王トードストゥール自らがピーチ姫を守る騎士に叙したんだぞ。これ以上正規なことはないだろう!」

太った目が飛び出そうなトードが、右隣の評議委員を見た。「うーん、私がどう思うか知るために投票が必要だな。どう思う、ラッセ?」

ラッセ・T.は干からびたレーズンのようなトードで、どうやら居眠りしていたらしいが、急に目を覚まし、木槌をテーブルに叩きつけた。「え? なんだって、ムース? おお、ちくしょう、有罪だ! 有罪!」

もちろんムース・T.がその太ったトードだった。彼は首を激しく振って頬肉を揺らした。「違う違う! まだそこまで行ってないよ、ラッセ! マリオ卿が招かれざる者として評議会に乱入してきたことについて、私がどう思うかを知りたいんだ!」

ラッセ・T.は片手で耳にトランペットを当てながら瞬きした。「ああ? おお、そうか、ムース。じゃあ投票にかけよう!」

ムース・T.の手がピョンと上がった。まるで特に太った緊張した小学生のようだった。「ああ、よかった! 動議に賛成! また投票だ! ……えっと、どう投票すればいいんだっけ?」

トードスワースは額を押さえた。「はぁ……動議:きのこ王国チャンピオン、マリオ卿を王太子ピーチ・トードストゥールの近衛として評議会室に歓迎する。賛成の者は——」

ラッセ・T.が木槌を叩きつけた。「有罪!」

ムース・T.が座席で跳ねた。「待って! マリオ卿を退場させる投票? ……それともここにいることについてどう思うかの投票?」

元近衛隊長トードスターが両手で顔を覆った。「否! マリオ卿退場動議に反対!」

トードスワースが首を振った。「議事進行上の発言。マリオ卿を歓迎する投票であって、退場させるものではない。賛成の者は『賛成』と言え」

元近衛隊長トードスターがテーブルに顔を二度叩きつけて強調した。「賛成! 俺は賛成だ!」

トードスワースの手が即座に上がった。「賛成!」

トードスキー教授は両手を綺麗に組んだままだった。

長い沈黙の後、ムース・T.が不安げにテーブルを見回した。「ラッセ、君はどう思う?」

ようやくラッセ・T.が目を瞬かせ、目をこすり、ようやくマリオに気づいたようだった。「ん? ああ、マリオ卿歓迎の投票か? もちろん賛成」

トードスキー教授が気軽に手を上げた。「賛成!」

ムース・T.が息を吐いた。「おお、よかった。私も賛成!」

トードスワースが顔を上げ、安堵した様子だった。「賛成多数。動議可決。マリオ卿、長老評議会を代表して歓迎する」

マリオは短く頷いただけだった。表情からは何を考えているのか全く読み取れなかった。

トードスワースはピーチに視線を移した。「王太子ピーチ・トードストゥール、緊急長老評議会に召喚された。目的はクッパ卿の脱走未遂について話し合うことだ。事件の目撃者として証言する用意はあるか?」

ピーチは頷いた。「はい」

「真実を、すべてを、真実だけを語ることを厳粛に誓うか?」

ピーチは心臓の上に手を置いた。「誓います」

トードスワースは頷き、髭が誇らしげにカールしたように見えた。しばし余韻を残した後、トードスワースが長い沈黙を破った。「今朝の朝の運動中、クッパ王がスーパーマリオメーカー破壊を引き起こし、トードタウンに物的損害を与えたか?」

「はい、そうしました」

トードスキーが身を乗り出し、顔をしかめた。「なぜクッパ卿が独房から出ていた? 脱走したのか?」

ピーチは体を固くした。「いいえ、閣下。私が王族の賓客として、プリンセスアカデミーの運動に参加するよう招待しました」

トードスキーが小さな目をさらに細めた。「その決定を誰が許可した?」

ピーチとマリオの背後の扉が勢いよく開き、トード隊長がマントを翻して入ってきた。「私が許可した! クッパの釈放を私が認可した!」

トード隊長の後ろを、トゥーデットが威厳を保ちつつも急ぎ足で続いた。さらに後ろでは、トードバートとトードィコが扉の陰から覗き、トード隊長を尊敬の眼差しで見ていた。「うわ、タイミング完璧すぎ……」とトードィコが囁いた。

トード隊長はピーチの反対側に進み、キビキビと敬礼した。「評議会諸君! 無礼をお許しあれ! トード隊長、命令通り召喚に応じ参上!」

ムース・T.がメモを不安げに見た。「え……トード隊長は休憩後の尋問予定じゃなかったかな? どう思うかちょっと……」

トードスキー教授が手を挙げた。「動議:トード隊長およびトゥーデットを重要証人として歓迎する」

元近衛隊長トードスターが手を上げた。「賛成!」

トードスワースが、まるで千回練習したかのように素早く言った。「トード隊長とトゥーデットを歓迎することに賛成の者は『賛成』と」

トードスワース、トードスター、トードスキーが一斉に手を高く上げた。「賛成!」

トードスワースがテーブルを叩いた。「賛成多数。評議会は武器長トード隊長および侍女長トゥーデットを正式にこの尋問に迎える」

マリオが一歩前に出た。「尋問ってのはその通りだな。お前らのやってることが手に取るようにわかる。ピーチにこの責任を押し付けるつもりはさせねえ。彼女は無実だ!」

トードスワースは厳粛な顔で首を振った。「いや、マリオ。トードストゥール王女は裁判にかけられているわけではない。これはただの——」

突然、ラッセ・T.が木槌を叩きつけた。「有罪! 有罪だと言う!」

ムース・T.が指を振って穏やかにたしなめた。「違うよ、ラッセ。君は判事だ。罪の有無を決めるんじゃない。判決を言い渡すだけだ」

「え? おお、ありがとう、ムース! じゃあ……王太子ピーチ、私はお前に……体罰を宣告する! 具体的には、お尻ぺちんと、皇室の可愛いお尻にスパンキングだ!」

ピーチの最も鮮明な悪夢が現実になりつつあり、頭がクラクラした。

マリオの指がピクピク動き、判事の手から木槌を奪い、数人の評議委員の頭を叩きのめしたい衝動を抑えているようだった。

だがトードスワースが素早く立ち上がった。「いやいやいや! ここは君の法廷ではない、ラッセ卿! この評議会に王太子ピーチに判決を下す権限はない」

元近衛隊長トードスターが頷いた。「その通り! 我々の王命は、王太子が21歳の誕生日に成人するまで王位を管理することだ。ピーチ姫が皇室の可愛いお尻にスパンキングを受けるべきかどうかは、父親の決めることだ。評議会の管轄外だ」

トードスキー教授は椅子に寄りかかり、思索的に手を組んだ。まるで教室での対話の最中のように。「だが本当にそうかね、君? ピーチ姫が寝室からデイジー姫と一緒に脱走した一件の後、我々は全員一致で厳しい懲罰が必要だと合意したはずだが」

「全員一致」という言葉が出た瞬間、トードスターとトードスワースが一瞬ピーチとマリオを見て、少しバツが悪そうにした。

トードスワースの太い髭がピクピクした。「その時の議事録を読み直した方がいいぞ、教授。我々は全員一致で、王太子の非行に対して懲罰を勧告した。だが私はピーチの名付け親だ。王トードストゥールが娘にスパンキングが必要だと言えば、皇室の可愛いお尻にしっかり叩いてやる。だが法律上、その決定権は評議会にはない」

ピーチの心の中で、透明なもう一人の自分が「そうよ! 言ってやって、トードスワース!」と応援しているのが聞こえた。すると別の透明な自分が「でも、そんな言い方しなくても……」とため息をついた。

トードスキー教授は肩をすくめた。「我々がそんな権限を持っているとは言っていない。ただ、王トードストゥールの選んだ摂政として、助言する権利はあるだろう……」

トードスキーはまっすぐピーチの目を見つめた。「……そして私の助言は、あの怪物は決して独房から出すべきではなかったということだ。政治的な理由で賓客のふりをしているのは構わんが、ピーチ王女が独断で決めた以上、今日のすべての破壊に対する全責任は王女にある」

トード隊長が足を踏み鳴らし、敬礼したまま叫んだ。「評議会諸君! 自由に発言する許可を!」

ムース・T.が指をトントンと鳴らした。「それも投票が必要か?」

トードスワースが答える前に、トードスキー教授が椅子を蹴り倒す勢いで立ち上がった。「必要ない! なぜなら、このブリキ兵が何を言うつもりか、もうわかっているからだ。トード隊長、君がクッパの釈放を許可したとしても、釈放命令を出したのはピーチ王女であり、彼女にその権限はなかった……そうだろ、王女?」

ピーチは毅然と立った。「……評議会の権限を越えるつもりはありませんでした。私の意図は——」

「意図など聞いていない。クッパの釈放命令を出したのはお前か? 質問に答えろ!」

マリオはピーチの手が、誰にも気づかれないほどわずかに震えているのを見逃さなかった。

ピーチは声に完璧な落ち着きを保ちながら答えた。「はい、出しました」

元近衛隊長トードスターがため息をついた。「……トードスキー、確かに我々に事前報告すべきだった。だがボウザーが引き起こした危険をピーチのせいにするのは不公平だ。あいつの責任だ」

ムース・T.が指を立てた。「彼女の責任、じゃないかな」

元近衛隊長トードスターの目が漫画みたいに燃えた。「俺は言いたいことを言ったし、言ったことは本気だ!」

ムース・T.が目に見えて震え始めた。「でも……ボウザーは今、女なんだろ? 彼じゃなくて彼女? おお、なんてこった、どの代名詞を使うべきか投票が必要だ!」

マリオとトード隊長が同時に長老評議会に食ってかかろうとしたが、ピーチ姫が圧倒的な威厳で声を張り上げ、全員を黙らせた。「トードスキー評議員、あなたの言う通りです。私はボウザーを独房から出した決定、その結果生じた損害、そして私の決定による他者への危険について、全面的に責任を負います。評議会が贖罪を必要と判断するなら……私は必要なことは何でもし、評議会の決定に従います」

ようやくトードスキー教授が驚きのあまり言葉を失ったが、すぐに立ち直った。「……では、その損害をどうやって弁償するつもりだ? 国庫から小銭を少し出すだけか?」

ピーチの胸がふくらんだ。「いいえ、私の私費で」

トードスキーの歯ブラシ髭がピクピクした。「お小遣いか? それでは到底——」

トードスワースが立ち上がり、トードスキーを睨みつけた。「ありがとう、ピーチ・トードストゥール王女。責任を受け入れる姿勢は立派だ。なぜボウザーの釈放命令を出したのか、評議会に説明する機会を与えたい。何か弁明はあるか?」

トードスワースの声は厳格で形式張っていたが、ピーチはその裏に隠された支持の響きを感じ、少し肩の力を抜いた。「私は、障害物コースに参加させることで、ボウザーが本当の力を隠しているかどうかを暴けると考えました。女王トードストゥールの王冠が……ボウザーの……外見を変えただけでなく、驚くべき魔法を秘めているようです。パワーアップに似た性質の力です。ボウザーがその力にアクセスし、武器として使えることを発見しました。今の警備体制では到底不十分だと恐れています」

父親のような誇らしげな表情を隠さず、トードスワースはベストの襟を引っ張った。「では、この評議会にどのような措置を提案する?」

「ボウザーを常時監視下に置き、王立トード近衛隊に追加のパワーアップを支給すること。そして独房の鉄格子と窓を強化することを提案します……」

ピーチは評議委員全員が頷くのを見てから、急いで付け加えた。「……そして、もし彼が……いえ、彼女が同意するなら、ボウザーを王族の賓客として、プリンセスアカデミーの集中講習にデイジー姫と私と一緒に参加させることを提案します」

これを聞いて、ムース・T.とラッセ・T.が椅子から落ちそうになった。トードスキー教授は二度見した。「それに何の意味がある?」

ピーチは王女らしい、誰もが魅了される微笑を浮かべた。「クッパ王国が大使を送ってきた場合、私たちは正直に『現国王が王族の賓客として扱われている』と答えられます。そして女王トードストゥールの王冠の魔法的本質について、さらに詳しく知る手がかりが得られるかもしれません」

ラッセ・T.が木槌を叩きつけた。「そして、彼女が悪さをしたらボウザーをお尻ぺちんか?」

ピーチはさらに甘く微笑んだ。「その通りです! 評議会は私がこれらの措置を代行することを許可していただけますか?」

トードスワースが他の評議員を素早く見回した。「王太子ピーチ・トードストゥールの各提案を順番に投票にかけることを動議とする」

トードスターが即座に手を上げた。「賛成」

トードスワースが頷いた。「第一提案:ボウザーの常時監視の許可、近衛隊へのパワーアップ支給、独房の強化。賛成の者は『賛成』と」

五人全員の手が上がった。ムース・T.も。「賛成!」

トードスワースが手早く続けた。「賛成多数。動議可決、満場一致。第二提案:ボウザーが同意した場合、プリンセスアカデミーの訓練に参加させることをピーチ王女に許可する」

トードスキー教授が指を立て、不審げな顔をした。「明確化を求める。ピーチ王女にボウザーの収監に関する代理権限を与えるということか? あの怪物が独房から自由に出入りして、楽しいお茶会に参加できるようにするのか?」

トードスターがうめいた。「いい加減にしろ、教授! 理にかなった提案だろ。君自身が、亀族の大使にボウザーがきちんと扱われていると保証する必要があると言ったじゃないか」

「だからといって、政治犯に対する我々の権限を誰彼構わず譲るわけにはいかん。トード隊長でさえだ。最終責任は評議会にある。ボウザーを安全に、そして他者から安全に遠ざけることだ」

トードスターが目をこすり、突然ひらめいたように指を鳴らした。「なら、ボウザーの日常的な収監事項について、私に代理権限を与える投票をしよう。私が個人的にこのプリンセスレッスンを監督する」

「君の授業スケジュールに加えてか?」

「そうだ! 囚人が鼻の粉をはたくたびにフィリバスターをやるのはもう御免だ。動議:ボウザー卿の収監に関する評議会代表に私を任命する」

トードスワースが賛成し、全員がトードスターを代表に承認した。トードスキー教授が最後まで渋々手を上げた。

それで決着がつき、ようやくボウザーのプリンセスアカデミー参加を承認する投票が行われた。トードスキー教授がうめいた。「クッパが王……もしくは女王だから、王族扱いしなきゃならんのか……不公平だと思わんか?」

最後の言葉で、トードスキー教授はマリオを見た。まるでその質問がマリオに向けられたかのように。マリオは体を固くした。今回ばかりは、実はトードスキーに同意してしまったことに気づいた。だがマリオが答える前に、トードスキーが素早く手を上げた。「賛成」

評議会は満場一致で、提案全体を承認した。クッパ王は正式にプリンセスレッスンを提供されることになった。

ムース・T.がため息をつき、敗北感に満ちていた。「残念だな。本当に。そもそもマリオとルイージに王冠を探しに行かせたのは、それがとても……伝統的だったからだぞ。きのこ王国の次期正当君主を、文字通り初代女王トードストゥールの王冠で即位させるなんて、貴族や王族が集まる前でこれ以上ふさわしいことはないだろう?」

ラッセ・T.が木槌を不思議そうに掲げた。「お尻ぺちんは? 貴族や王族の前で?」

ムース・T.が頷いた。「それも悪くないアイデアだな……そういえば、ピーチ王女が今回の騒動の責任を取るために、しっかりお尻を叩かれるべきかどうか、まだ投票してなかったぞ!」

トードスワースが杖でテーブルを叩いた。「もう一度言うぞ! 私はすでにピーチを、許可なく寝室から抜け出した件で、かなりしっかりとお尻を叩いた!」

ムース・T.が首を振った。「もちろん、だが今回は許可なくボウザーを独房から出した件に対するお尻ぺちんだ!」

トードスキー教授が得意げに手を上げた。「動議に賛成。ピーチ王女にしっかりとしたハードなスパンキングを勧告することに賛成の者は『賛成』と!」

ラッセ・T.が木槌を叩きつけた。「彼女は有罪! 賛成! 賛成だ! ここに王太子ピーチに公開お尻叩き刑を宣告する!」

ムース・T.が座席で跳ねた。「おお、今回は私がどう思うかわかってる! 賛成! なんて伝統的な罰だ!」

トードスワースがむせ返り、足を踏み鳴らした。「なっ? い、いや! もちろん反対! こんなことは評議会の投票事項ですらない!」

トードスターが敗北感をにじませてつぶやいた。「反対」

全員が凍りつき、トードスキー教授を見た。

ピーチは背筋に寒気が走った。自分の皇室のお尻の運命を決める最後の票が彼にあると気づいた。トードスワースが手続き違反を主張しようとしても、ピーチが責任を受け入れると宣言した後では、もう逃げられない。マリオはグローブの手を固く握りしめた。

トードスキー教授は椅子に深く座り直し、部屋を見回してから、ようやく頷いた。「反対だ。個人的には、スパンキングなんて原始的で野蛮な罰だと思う」

ピーチはようやく息を吐いた。それまでどれだけ息を止めていたかに初めて気づいた。マリオの前で自分のスパンキングがこんなにオープンに議論されるだけでも十分恥ずかしかった。だが少なくとも、マリオの前で実際に公開お尻叩きにされる屈辱は免れた。

評議会が終了すると、トードスワースが杖をついて近づいてきた。「……こんな話を聞かせてしまって、すまなかった。議論があんなに……脱線する前に止めるべきだった」

ピーチは手を差し出した。「気にしないで、トードスワース。あなたを頼りにしているわ」

トードスワースは目をこすり、よろよろと去っていった。「君の信頼に値するよう努めるよ」

驚くことに、ピーチはマリオが自分の手を握っていることに気づいた。彼の目は無言で「ごめん、お前はそんな目に遭うべきじゃなかった」と言っているようだった。

突然、ピーチはあの運命の日、月での出来事を思い出した。ボウザーと一緒にマリオを軽くあしらったこと。その後、自己発見の旅の途中でマリオと再会した時の気まずさ。必死に説明したかった——怒っていたのはボウザーだけで、マリオには決して怒っていないと。でも王女として、そんなストレートな物言いは許されない。だからただ話題を避けてきた……

そしてその瞬間、初めてピーチは、マリオに自分の本当の答えを理解してほしくないと思った。「いいえ、マリオ。私は絶対に叩かれるべきよ。長くて、きついスパンキングを……皇室のお尻に、しっかり」

ピーチは口を開いたが、出てきたのは小さな吐息だけだった。なんて簡単なことだったのだろう! 月での無礼な態度を持ち出して、謝るだけ。あれから時間が経ちすぎて、マリオはあの短くて恥ずかしい月でのやりとりを覚えているだろうか? 何度か話題に出そうとしたのに、いつも何かに邪魔された——誘拐、王室の陰謀、危険な冒険……

トードスキー教授が大きく咳払いし、マリオとピーチを夢想から引き戻した。トードスキーは古風な金縁の読書用眼鏡を取り出した。「気に障ったことはないといいのだが、ピーチ・トードストゥール王女。私はつまらない政治が大嫌いなんだ」

マリオが目を細めた。「ピーチに全部の責任を押し付けようとしてたようだけどな」

トードスキーが両手を上げた。「ああ、あれは政治劇だよ、坊や」

「劇? 誰のための?」

トードスキーがラッセ・T.とムース・T.の方を顎で示した。「ああいう堅物どもは、ぐるぐる回って議論してるふりをしないと何にも賛成しないんだ。そもそも君たちを王冠探しに送ったのもあいつらのアイデアだよ? 過去のことしか興味がない。本当に考えるべきは、きのこランドの未来だ! そうだろ、ピーチ・トードストゥール王女?」

ピーチは誰でも騙せそうな笑顔を浮かべたが、マリオには無理をしているのがわかった。ピーチは頭を下げた。「はい、トードスキー教授。長老評議会であなたの視点を持てて感謝しています……未来の話といえば、お願いがあるのですが。王立文書館で繊細な研究を進めていて、きのこ王国大学から機器を貸していただけないでしょうか。E・ガッド工業のX線断層撮影装置を」

トードスキーが眉を上げた。「ちょっとした家系図のプロジェクトか?」

ピーチはどこまで話していいか一瞬考えた。「……王冠がどんな魔法を持っているのか、もっと知りたいんです。ボウザーのためにも」

トードスキーが肩をすくめた。「ふむ、別に構わんな……ただ、もうボウザーは鍵をかけてあるんだから、あの可愛い頭をそれほど心配しなくてもいいぞ。きのこランドの民にこれ以上害を及ぼすことはできない」

ピーチは頷いた。「そうであることを願います」

トードスキー教授が微笑んでウィンクした。「もちろんそうだ! 断層撮影装置なら何とか工面してやるよ……ただし、ひとつ貸しだ。じゃあな!」

マリオはトードスキーが去るのを、鷹のような目で見送った。ピーチがため息をついた。「マリオ、あなたの世界でも政治ってこんなに耐え難いものなの?」

マリオがうめいた。「どの銀河でも政治はクソなんだろうな。なんであんなジジイどもに我慢してるんだ?」

ピーチは顔を妙に固くして微笑んだ。「あら、マリオ。驚いたわ。長老評議会の主要な役割はもう説明したはずだけど?」

マリオが肩をすくめた。「ああ、王位を守ることだろ。お前が成人するまで、ちょっと王国を預かってるだけだ」

ピーチはゆっくり首を振った。「いいえ、マリオ。まだ私の王国じゃないわ。成人することは条件の一つにすぎない……父の王国を継いで女王として統治権を持つには、長老評議会が満場一致で私に王位を認めなければならないの」

マリオが瞬きした。「何? なんでだよ?」

ピーチはくすくす笑い、玉座の間から歩き出した。「もちろん、私が女だからよ」

【第II章 終わり】

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